ほ、っとする、、
石上(いそのかみ)布留(ふる)の早稲田(わさだ)の穂には出でず
心の中(うち)に 恋ふるこのころ
ー万葉集より
石上布留の早稲の田に植えられた稲穂のように、早くに出てしまうのではなく、
心の中で慕い続けていよう。
久々の更新となりましたが、すっかり秋の夜長を楽しむ季節ですね。
虫の音を聴きながら和歌を読むと、それだけで心が癒されませんか…?
(マニアック…?!汗)
この歌は、密かに想い続ける恋の歌です。
人肌恋しくなる秋の冷んやりした空気と、
胸の内に秘めた情熱とのコントラストが美しく感じられます。
ところで、「心ときめく 万葉の恋歌」(二玄社)を書かれた文学博士の上野誠さんによれば、「ほ」というのは、「一番飛び出た大切なところ」を指すとのこと。
稲穂のほか、槍の一番飛び出たところは「槍のホ」、顔の一番飛び出たところで表情に現れるのは「ホホ」、火で一番飛び出ている先の方が「火(ほ)のホ=ホノホ」。
そんな風に言われてみると、「ホ」という一音の持つ力を何となく感じませんか?
日本語は一音、一音に意味があり、
力があると言われていますが、折に触れてこうした「音の意味」を知ることも、私たちが日常でさりげなく発している言霊に触れるようで面白いですね(*^^*)
明日も清い言葉と共に過ごせますように。
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